人は1日2400ミリリットル以上の水分を排出しています。水分は食物からも取れますので、飲む量としては1日2リットル弱を補給するとよいでしょう。なお、一度に水分を取り過ぎた場合などに水中毒という状態になることがありますので注意が必要です。水分は喉が渇いた時にこまめに補給するようにしましょう。
もくじ
人は1日にどれぐらいの水分が必要?
吐く息などからも水分が排出される!?
人は皮膚から600ミリリットル、また、吐く息つまり呼気から400ミリリットルの水分を蒸気として放出しています。
つまり特に運動をしなくても毎日1リットルほどの水分を出しているのです。
その他には尿として1200ミリリットル、大便中の水分が200ミリリットル排出されますので、合わせて1日2400ミリリットルほどの水分を排出していることになります。
2リットル入りのペットボトルを思い浮かべるとよく分かりますが、あの量よりも多い水分を人は普通に生活しているだけで出しているのです。
そのため、最低でも排出した分の水分量を補給しないと体内の水分が不足することになります。つまり1日2.4リットルほど水分補給をする必要があるというわけです。
けれども2.4リットルを水やお茶などで飲めばよいということではありません。水分は食事中にも含まれていますので、実際に飲む量としては1.5リットル、つまり500ミリリットル入りのペットボトル3本分の水分を補給する必要があるのですが、これは最低限必要な量です。
この量よりも多めに水分を取るようにするとよいでしょう。
つまり1日2リットル弱の水分補給をするようにすると水分不足を防ぐことができます。
ただ、一度に水分を取るよりもコップ1杯程度の水分をこまめに取るとよいといわれています。
水分を補給する時は何を飲んだらいい?
また、水分補給をする際はその内容にも気を付ける必要があります。
ビール等アルコールは利尿作用があり、尿としてすぐに排出されやすくなるため、水分の補給にはなりません。また、コーヒーや緑茶にも利尿作用がありますので、水分補給を目的として飲む場合はあまりふさわしくありません。
できれば水や麦茶、白湯などを飲むようにするとよいでしょう。なお、体内の水分が不足すると肌の乾燥、頭痛、頭がぼーっとするなどの症状が起きます。舌を見た時に舌の中央部がひび割れたようになっていた場合、体内の水分が不足しているといえます。
適量の水を上手に取るにはどうしたらいい?
水中毒って何?
水中毒という病気があります。
これは低ナトリウム血症とも呼ばれており、水を飲み過ぎたことにより体内の水分量が過剰になるために引き起こされる病気です。
具体的な症状としては頭痛や吐き気などですが、ひどい場合は意識障害なども引き起こして死に至ってしまうことさえあります。ただし、通常は腎臓が体内の塩分や体液量などを調節しているため、腎臓が正常に機能している限り水中毒になることはありません。
しかし、健康な人であってもマラソン中に過剰に水分を取ると水中毒になることがあるといわれています。運動時には利尿を防ごうという働きをするホルモンが分泌されるため、体内に水分がたまりやすくなるのです。
そのため、マラソン中大量に水分を取ると腎臓に水がたまってしまい、体内の水分が過剰になり水中毒を引き起こすことがあるのです。マラソン以外ではトライアスロンや水泳なども運動中に水中毒になる可能性が高いので注意した方がよいでしょう。
なお、栄養が不足したり栄養の取り方が偏ったりしていると、腎臓の機能が落ちるため、水中毒になりやすくなります。
水を飲み過ぎないようにするためにはどうしたらいい?
また、適切な水の摂取量というのはその時の体調や条件によって変わってきます。基本的には水分が必要な場合はのどが渇くという形で体が教えてくれます。のどが渇いてもいないのに水を飲むというようなことを繰り返していると体内の水分が過剰になりやすくなります。のどが渇いたら水を飲むようにすれば、水の飲み過ぎを防ぐことができます。
上手に水分を取る工夫をしよう
こまめに水分を取った方がよいと分かっていても、なかなかできないという場合があります。例えば水筒を持ち歩くようにすると、のどが乾いたらすぐに補給することができます。
また、水道水を飲みたくないという場合は、ウォーターサーバーを自宅に設置するというのもよい方法です。
熱いお湯でも冷水でも好みや体調に応じて自由に飲むことができます。