食の安全ということが広く日本で言われるようになって、一般消費者も安全性について関心が高まったことで、生まれたのがHACCP(ハサップ)と呼ばれる安全管理に関する基準です。
今回は、アメリカで作られた発想を、日本でも取り入れたHACCP(ハサップ)について紹介します。
もくじ
HACCP(ハサップ)の基礎知識
HACCP(ハサップ)とはそもそも何?
最近よく見るHACCP(ハサップ)とは、「Hazard」「Analysis」「Critical」「Control」「Point」の頭文字をとったものです。食品を製造するにあたって危険要因を排除して、安全を確保するための管理手法という意味合いがあります。
食品を製造・出荷する一連の過程の中で、雑菌などの異物混入の起こるリスクはどうしてもあります。この危険要因をあらかじめ分析することで、予防するアプローチになります。
HACCP(ハサップ)の登場前も、検査は実施されていました。しかし抜き取り検査が基本でした。ここからさらに一歩進んだスタイルとされています。
HACCP(ハサップ)登場の背景
HACCP(ハサップ)という考え方が登場したのは、1960年代といわれています。この時アメリカではアポロ計画が進められていました。
その中で宇宙食も必要になり、かつ食品の安全性がこれまで以上に高く求められるようになりました。そこで担当部署であるNASAを中心となって構想されたのが最初です。
その後1973年にアメリカ食品医薬品局のFDAが、缶詰食品の基準として正式に取り入れられました。
HACCP(ハサップ)の認証とはどのような意味?
HACCP(ハサップ)には認証制度が用意されています。日本でもHACCP(ハサップ)にかかわる認証制度がいくつかあります。
ここでその認証の仕組みについて詳しく見ていきます。
HACCP(ハサップ)認証の基本
衛生管理システムがHACCP(ハサップ)の求める基準を満たしていることが認定されると、HACCP(ハサップ)認証が受けられます。この評価は第三者の認証機関が行います。
もし基準をクリアしていると認められれば、「HACCP(ハサップ)マーク」がその企業に与えられます。ちなみにこの認証機関、日本国内だけでも複数存在しています。
どこで認証を受けたかによって、同じHACCP(ハサップ)マークでもデザインは異なります。
日本国内における主要なHACCP(ハサップ)認証機関
日本国内には複数の認証機関があります。その中でも主要なものとして、以下のようなものがあります。
まずは総合衛生管理製造過程です。
こちらは厚生労働省が行っているHACCP(ハサップ)認証で、食品衛生法によって定められています。総合衛生管理製造過程の中で認証しているのは6つの製品に限られます。
乳と乳製品、食肉製品、また容器包装詰加圧加熱殺菌食品に魚肉練り製品、そして清涼飲料水の6種類が対象です。
業界団体認証のHACCP(ハサップ)もあります。
これは特定の業界や業種に限定して、HACCP(ハサップ)の認証を行っている機関です。もう一つが地域の認定するHACCP(ハサップ)です。
自治体が行っている認証で、中小の食品会社が手軽に取得できるとして人気です。ただし審査基準については、各地方自治体によって独自で決めています。
HACCP(ハサップ)認証を受けるメリット
HACCP(ハサップ)認証を受ける企業も増加傾向にあります。なぜ認証を受けようとするのか、企業にとっていろいろなメリットが期待できるからです。
その中でも大きいのは、以下のような点があげられます。
事故リスクを低下できる
HACCP(ハサップ)認証を受けることで、普段から食品の製造にあたってリスクマネジメントに関する意識を持てるようになります。衛生管理に対して厳格な基準を設け、品質向上に寄与する可能性は高いです。
その結果事故やクレームが減少する可能性が高いです。
たとえ不具合が発生しても、原因を突き止め再発防止の対策を迅速に対応できます。
企業イメージの向上
HACCP(ハサップ)は基準をクリアしなければ、認証は受けられません。逆に言えば衛生管理に対して普段から妥協することなく対応していると考えられます。
企業のイメージ向上に貢献して、信頼度のアップにつながります。
新しい得意先の開拓にもつなげやすくなるわけです。